ある昼下がりの事である。海紹大師の孫、瀞はいつものように刀斬爺の所に飯を食いに来た。
戦などが無い時、いつもの場所に男装の様な麗人が刀斬の所に居るのに今日に限ってその場所に居なく
瀞は
「いつもだったら、居るのにマリアさん何処に行ったんだろう。あっもしかしてなんか倒しに行ってるのかなぁ〜
でもそしたら刀斬爺っちゃんも居ねぇだろうし・・・でも奥の方で刀斬爺っちゃんの料理作ってる臭いがするし。
マリアさん一人で戦なんて行くわけねぇか。爺っちゃんも奥で刀斬爺っちゃんと話してるみてぇだな」
屋敷の玄関の入り口から大声で刀斬に話をかけた。
「刀斬爺っちゃん!今日はマリアさん居ねぇの?」
「なんじゃあ?マリアならそこらに居ると思うが。さがしてみぃ。瀞!ちなみにまだ飯はできんぞぃ」
「わぁってるよぉ〜その間、暇だからマリアさん探してるんだよぉ」
「瀞!マリア嬢に迷惑かけるんじゃないぞ!お前と違って育ちが違うのだから!」
と奥から祖父の海紹大師が声をかけた。
「・・・・わぁったよ!・・・ったく・・・おらぁはどうせ田舎モンですよ」
屋敷の外に出ると奥のほうに立派な庭がある。オウギの国では当たり前の梅の木や桜の木
池など和な感じの庭そのものだ。そこには御影石で出来た。テーブルなどもあり、春になると桜の下で
爺様同士が花見見物で酒を呑む場所だ。瀞が小さい頃はよくこの場所に遊びに来たものだ。
「やや?もうそろそろ梅の時期かぁ〜また爺っちゃん同士は酒呑むんだろうなぁ〜」
そこへ御影石で出来たちょっとした洋風的なテーブルに肘をかけて梅の華の蕾を見ている女性が
立っていた。そこにはいつもとは違う紫という高貴なチャイナドレスを身に纏っている。マリアが居た。
名はマリア・コリシュマルド、元アルテリス王国に居た彼女は決して生まれを明かそうとはしない…
星の欠片の脅威により愛する者達を奪われたためらしい。今現在はザンクトリアの酒場で働きながら
戦っているらしい。刀斬には命の恩人であり、剣の師匠で父のような存在である。
だから酒場の仕事や戦がない時は、オウギの国まで足を運び刀斬の屋敷に居るという訳である。
瀞は思わず。
「マリアさん・・・・」
いつもと違うフインキに思わず見惚れてしまう。瀞も26歳で一応は男だ。
目の前に美人な女性が居て、ましてやいつもとフインキが違えば見惚れてしまう男なんて沢山居るし。
もちろん酒場にはマリア目的な男も多々居るだろう。
瀞にとってはいつも男装の格好ばかり見ていたので気にもしなかったが・・・・
いざマリアが女性らしい格好すると、さすがの瀞もその姿に心奪われるのである。
「んっ?瀞ではないか?どうした?今日も食事に来たのか?」
「あっ・・・あぁ、おらぁが・・・かっ刀斬爺っちゃんの所に来る理由はめ・・飯くらい・・・しか・・・ねぇよ」
あきらかに動揺が見られる。その様子にマリアは
「どうした?瀞?今日のお前はおかしいぞ?それに顔も少し赤いようだ。熱でもあるのではないか?」
「いっいやぁ!別に大丈夫だよ!そっそれよりもマリアさん!その格好・・・どうしたの?」
「あぁこの格好か?私の誕生日が近いもので刀斬がくれたのだよ。オウギの国の服だということで。
やはり私には似合わないか?」
「えっ??いや・・・・にっ似合ってると思う・・・・よ」
「そうか。よかった。」
と笑顔で返された
「・・・・あっ!そ・・・そろそろ飯できる頃かなぁ??じ・・・じゃあね!マリアさん!」
と照れ臭そうにその場を後にした。
「おらぁにとっては高嶺の花だなぁ・・・・(苦笑)」
と悶絶する26歳の男、瀞であった。
うひゃひゃwwごめんww一度マリア嬢にこんなの着せたかったの〜そして瀞のこの顔を描きたかったのw